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もう回らない

君がうち来てもうすぐ2年
まだ小さかった最初の君は
夜中もガラガラ 朝までガラガラ
頭の中は大草原を 走ってるのかな うん、たぶん

大好きなのは枝豆と
スイートコーンの 暖めたやつ
でもすごいのは
僕の嫌いな グリーンピースやブロッコリー
ニンジンなんかも大好物
毎日毎日 バクバク、ムシャムシャ そしてまた
夜中もガラガラ 朝までガラガラ

いつからか
そう 夏からか
君は回らなくなった
ガラガラしようよ もううるさいなんて言わないから
ガラガラしてよ やかましくてもいいからさ
君は静かに寝てばかり だんだん食べる量も減る

ああ、そうか…
この世界に生まれてきた僕たちは
いつか回らなくなる
そう、回れなくなる…
そんな当たり前のことを 毎日忘れて
今も回っている

でも、ちょっと待って…
時速1700キロで常に回転しているこの地球という星の上では
僕らの営みなど、なんとちいさな回転だろうか
なんて小さな、瞬間だろうか
人はその自身の回転に
終わりがあることを気づいていながら
今日も回っている

こんな小さな回転の中で
あなたは僕は 何ができるだろうか…

そう、いつからか
そう 夏からか
君は回らなくなった
ガラガラしようよ もううるさいなんて言わないから
ガラガラしてよ やかましくてもいいからさ
君は静かに寝てばかり だんだん食べる量も減る

あ、また水飲みに出てきたな?
僕は今も、そんな「けんぴー」と、
楽しく暮らしている…
なあ、ケンピー 今度は僕が回って見せようか…

▼批評・マエケン先生▼
 作者は「ケンピー」と名付けたハムスターを飼っているが、もう生まれてから2年以上たっている。人間で言えば還暦は過ぎているそうだ。若い頃は回しぐるまを毎晩ガラガラと回す。そんな騒音の毎日が大変だと思う日常は、あっという間に過ぎ去り、いつの間にか回らなくなった。それはあるひ突然やってきた。
ここで作者はその「老い」というトランジションにスポットをあてる。人間から見れば小さなハムスター…。あっという間の命の期間である。しかし人間はあっという間ではないのだろうか?
地球(大自然)から見れば、人間の命もまた、あっという間なのではないか。視点をよりミクロからマクロに切り替えるこの作者の技法で、人間の営みの期間の希少さを訴えかけている。
こうして作者は自分がまだ「回れる」ことに気づき、前に向かっていこうと決意する。最後の「今度は僕が回って見せようか」の言葉は、ケンピーに対する、その気づきの感謝と自身の決意の表れなのであろう。
きっとまだ回れるあなたはそこにいる、一つ一つ回っていけば、それが結果あなたのすばらしい人生の回転を生み出すことになると、このポエムを通して作者はなげかけているのかもしれない。

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